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【三話】いきなりレールガン女子高生ヴァーサス

いきなりレールガン女子高生ヴァーサス
第三話

「発端」

「じゃーセレンまたね~」
「ロロー!明日ちゃんと来なさいよねー!!」
「行けたら行く~!」
「こいつ~~!!」

ロロと呼ばれた女子高生。
彼女の名前は長井 零路(ナガイ レイル)。
その読みづらい名前をレイロ、ゼロロとネタにされ、この友達からはロロというあだ名で呼ばれていた。

今日は寒い冬の日。
レイルは冬が好きだった。
特に冬期制服を着れる、というだけでも好きだった。
トレードマークにしたい黄色いマフラーも冬なら暑苦しくはない。走ると暑いが。

「行けたら行くって行かなそうなこと言ってから行けば好感度アップだな…」
適当なことを言いながらレイルはいつもの帰り道を歩く。
明日の休みは友達のセレン…初世 蓮と遊ぶ日と思うと心が弾んだ。
そう、今日もいつも通り帰って、また明日。

「肉まんでも食べて帰るかな…」
道路の向こうのコンビニに行こうと信号を渡る。
突如。
「…!?」
トラックが猛スピードで迫ってくる。慌てて渡りきる。横目で信号が青なのが見える。
信号無視。横断者がやるのも恐ろしいが、車にやられるとかなり怖い。
「…やだな~」
他人事のように独りごちる。
だが…!他人事では無い…!
「…あれ?」
再びトラックが猛スピードで道路を走る。先程の物と同じに見える。
何かがおかしい。こちらに向かってきているような…!
「っ!!」
慌てて逃げ出す!背後を高速て通過するトラック!!そのまま建物に激突!!
「なっ…何!?」
感じ取れる殺意…だが運転席は…無人!
「……!?」
不可解!!
「ひっ…!?」
巨大化する走行音!またしても…同じ姿のトラックがもう一台!!
「わ…あああっ!!」
レイルは慌てて前に飛び込んだ!だが距離足りず!!
「ぎいいいっ!?」
脚を轢かれる…!!

「う…あああ…」
――ー気分が凄まじく悪い。耳鳴りが煩い。喉から今日食べたものが逆流しそうになる。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ…!」
―――脚が動かない。脚が痛い。脚が…。
這いずりこの場から逃げようとする。
―――どうして誰も助けにこない?
「はっ、はっ、は…げほっ」
―――涙がおかしい位に出る。前がよく見えない。苦しい。どうして。
「あ、ああ…ああ…」
―――うそだ、こんなのおかしい。どうしてこんな目に。
視界の先に…またしても同じトラック…!真正面ではなく左にズレている…タイヤをレイルの頭の位置に…!
「あああああ…!」
―――――――こんなのは、わるいゆめだ。
…そして、長井 零路は頭部をトラックに踏み潰され、声も出さずに死んだ。




――――これは?
自分の姿が見える。目がおかしくなったのか?モノクロに見える。
――――なにか、へんだ。
どうして自分の姿が見える?それに今自分は寝転がっている感覚だ。でも。
――――立っている?
見える自分は立っている。立って、何かを…
――――話している?
何か嫌な感じだ。自分がやるべきことを、他人に勝手にされているような?
――――これは、なに?
やがて、レイルの頭の中に声が、情報が入ってくる。
『では、問題の解決に努めよ。』
身体の感覚がぼやけていく…。


「はっ!!はあっ…は…?」
レイルはベッドで目が覚めた。知らない部屋だ。ここは?
―――自分の拠点だ。
「…私の拠点?」
おかしい。どうして知っている?ここが分かる。
知らない景色。知っている知識。…訳が分からない。
鏡を見ると黒かったはずの自分の髪は純白に染まっていた。どうしてだ?
「…。」
窓の向こうは何もない暗闇。ここはどこだ?
―――宇宙の狭間だ。
「宇宙の狭間…って?」
―――内宇宙の間の空間だ。
「内宇宙…。」
―――大宇宙の中に内包される幾多の宇宙だ。
「う…え…」
気が遠くなっていく。頭がおかしくなりそうだ。それとも既に…
―――気が狂ったのか?

何も考えないようにして、この施設を歩き回る。
そもそもこの施設は一体?
――自分専用の宇宙間移動用VTOLだ。
「乗り物…?」
知識にはそうはあるが、納得が出来ない。まるで家だ。部屋も幾つか有る。
「これで…ご飯が食べれる?」
キッチン付近の箱に手を触れる。食べたかった肉まんが出てくる。
「…。」
ゆっくり口にする。食べたかった味がする。
「…悪くないのかも」
少しずつ前向きに、前向きに考えるようにする。

知識を元に「兵装調整室」へ向かった。
なんというか…それらしい機械が並んでいる。そして何か黄色の目立つものが目に入った。
「これは…」
―――レールガンだ。
電磁投射砲。もしくは電磁加速砲。自分の好きな武器。そして通常二本レールであるが、これは三本レール…。
「…。」
自分の持ってみたかったレールガンの姿そのものだった。
「これを私が使う…?」
―――何故使う必要がある?
―――それが自分の使命だ。
「う…。」
モノクロの自分が見えた記憶が蘇る。声は問題の解決に努めよと。
「問題の解決…?」
―――各内宇宙に向かい、問題を解決せよ。
「私が…転生か何かして…戦うっていう事…?これじゃ…まるで…」
―――セレンの好きな作品みたいじゃないか…!


コックピットに向かう。実際に見てここが乗り物だという納得が出来た。
「そうだ!いろんな宇宙に行けるなら…自分の宇宙に帰って…そうすれば!」
初めて触る端末なのに動かし方が分かる。もうこの感覚には慣れてきた。
だが。
「…!!」
表示される各宇宙に振られた識別ナンバーの数字は常軌を逸していた。
文字通りの天文学的数字…!
「こんな…こんなのっ!!!」
―――自分のいたところなんて分からない!!
レイルは叫んだ。叫びながら泣いた…。



―――泣き続けたレイルは底の冷静へ到達した。
「こんなのは夢だ…なら、夢が覚めるまで…」
覚悟…いや、自棄糞!
「使命って言うのを果たしてやる…!」
永い永い夢の始まり…!!!

長井 零路(ナガイ レイル)
ダウナーすぎてあんまり友達がいない。
初世 蓮(ハツセ レン)
レイルの友達。
アニメやゲームが大好きで、一般の流行が苦手なので同性の友達が少ない。
そんな中、付き合ってくれるレイルは数少ない親友である。
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