いきなりレールガン女子高生ヴァーサス
第四話
「怒りの鉄拳!」
「ウホーイ!」
この釣りを終え陽気に里に帰ってきた若ゴリラはゴリハルト。
里の中でもゴリラ一倍力が強く、身体が大きく、そして何より優しかった。
ゴリラたちは誰もが彼が次の長になれると認めていたし、彼自身も立派に長を受け継ぐ覚悟があった。
「ウ、ホ?」
そんな彼が目にした光景は半壊した里であった。
「ウホ、ウホホ!?」
「ウ、ウホホホ、ホホ…」
なんということか!?
「ウホ!!」
「ウ・・ウホ・・・」
慌てて長老の家に行ってみると、部屋は荒れ果て、長老は息も絶え絶えの惨状であった。
「ウホホウ!!」
「ウホ…ウホホホ…ウホ…」
「ウホ…!?」
ゴリーナとは、ゴリハルトが将来を誓った絶世の美ゴリラである!!
「ウホ、ウホホ…」
「ウホホホ…!」
許すまじ、チンパンジー盗賊団!!
重傷者を助けた後、ゴリハルトは急いで、しかし確実に旅支度を整え、盗賊団の根城へと旅立った。
怒りを帯びた彼の進軍スピードは凄まじかった。木々をあっという間に飛び渡り、河が立ちふさがれば泳いでみせた。
しかしそれほどの勢いを持ちながら、小動物に危害を加えぬよう細心の注意も払われていた。
そうしてあっという間にチンパンジー盗賊団の元へとたどり着いた。
「キキッ!?」
「ウホッ!」
「キギャーー!!」
「「キキキーーーッ!!」」
「ウホーッ!!」
「「キギャーーー!!」」
そう!いくら雑魚達が集まってもまるで敵わぬ!!
ゴリラはパワー、タフネス、そしてインテリジェンスを兼ね備えたスーパー・アニマル!!
「ウホーーーッ!!!」
そして彼は、若きヒーロー・ゴリラ、ゴリハルトなのだから!!
「キキーーーー!!」
「キキ…」「キキキ…」
一際大きいチンパンジーの大声。そして雑兵達は引いていき、玉座に座る”王”が現れた。
「キキキ…」
なんたる恐ろしいオーラを持ったチンパンジーか。体格自体はむしろ部下より貧弱に見えるが、その気迫は誰よりも上であった。
こいつは、何かを、持っている!!
「ウホ、ウホホ…!」
「キキキキ・・・」
ああ!!あれは無残に縛り付けられたゴリーナ!!
「ウホーホッ!!」
「ウ…ホ…」
まだ息はある、しかし縛り付けられたままではいつまで保つか・・・!
「キキキ、キキキキ…キッキッキッ」
邪悪な誘い!!だが!!
「ウホッ!!ウホ、ウホ!!」
ゴリハルトが了承する訳がない・・・こいつを倒して、おれはゴリーナを助けるのだ!!
「キキーーーー!!」
親分チンパンジーが取り出したのは・・・ああ、拳銃!!
かつてこの地を進軍した軍隊が残していったものだ!!それを奴は使いこなし、群れのリーダーにまで上り詰めたのだ!!
「ウホーーーーッ!!」
銃弾が飛ぶ!!しかし怯まぬ!!
「キ、キキキーーー!?」
怯まぬ!!!
「ウホォオオオオーーーーーッ!!」
怯まぬ!!!!!
「ウ…ホォォォーーーーーッ!!」
「キ…ギャァァァァーーーーーー!!」
強烈なゴリラ・ストレート!!チンパンジーには耐えられぬ!!一発でKO!!!
「キキッ!?」「キギー!!」「キーーー!!」
リーダーが敗れたと見るや、部下たちはあっという間に散り散りに逃げていってしまった。群れの終わりだ。
「ウホーホ!」
ゴリハルトはゴリーナを助け出した。
「ウホウホホ…ウホ…」
ゴリーナは彼を抱きしめた。
「ウホーホ…」
そして彼もまた彼女を抱きしめた。
美しい愛であった。
こうして二人は里へ帰り、ゴリハルトは素晴らしい勇者として讃えられた。
仲間たちの称賛と、最愛の妻のキスで勇者は照れくさそうにはにかんだ。
しかしその様子を悪のはかせがどこからか見ていて・・・?
「…チャンネル間違えた…」
ゴリハルト
ちょっと抜けたところもあるが、とても勇敢な若ゴリラ。
人間のトムソンとの思い出をいつまでも大事にしている。
ゴリーナ
振り返らぬゴリラはいないと言われるほどの絶世の美ゴリラ。
外見だけでなく、その心までもが美しい。
悪のはかせ
最近バストサイズが増してきて下着の新調を迫られている。