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【九話】いきなりレールガン女子高生ヴァーサス

「ふう!」
問題を解決したレイルは高層ビルの屋上で景色を眺めていた。
一飛びでこの高いビルにもあっという間に乗ることが出来る。
「楽しいなあ…。」
こうなってから身体能力は圧倒的に向上した。高いところから落ちた時は死んだと思ったが全然平気だった。
「よっと!」
軽い気持ちでジャンプする。簡単に向こうのビルへと着地。
ふと思う。
―――自分は何になったのか?



いきなりレールガン女子高生ヴァーサス
第九話

「わたしという存在」



レイルはファミレスで食事を取っていた。一人ではない。
「えっと、サイボーグってご飯…いるの?」
「食べ物を食べないと生きた心地、しませんから」
サイボーグ女子高生、迅雷。美味しそうに料理を頬張る。
「私はサイボーグ…人から離れてしまった存在ですから…せめて心だけでも人でいたいんです。」
迅雷がロンググローブに包まれた手を眺める。関節を動かすとわずかに駆動音。
「…迅雷さんって…本名なの?」
「ん…違いますけど…今はこれが私の本当の名前だと思っています。」
どこか悲しげな表情。親から与えられた名前を嫌っているのか。
「レイルさんこそ…どういった存在なんですか?」
純粋な興味。
「私…」
―――私は、何だ?


ビルの上から下を見れば、普通に歩く人々。彼らは、彼女らは自分のような力を持たない。
―――世界を守るスーパーヒーロー?
「…。」
―――人知を超えた化け物?
「私は…?」


「私は…自分がどうなっちゃったのか…わかんないんだ…」
まともな答えを返せない。顔を伏せる。
「そうなんですか?じゃあ、」
じゃあ?
「きっと、人間ですよ。」
彼女は微笑んでなんでもないことのように。そう言った。
「だってそれなら間違いないでしょう?」


「私は…人間でいいのかな?」
ビルの上で、その問に答えるものはいない。
でも、機械混じりサイボーグのあの子はわたしのことを人間と言ってくれた。
「…。」
今日はもう帰ろう。疲れているんだ。
レイルは飛び立った。


―――その様子を白い影が眺めていることに、レイルは気が付かなかった。
「あの子が、例の…。」

八話へ 十話へ


長井 零路(ナガイ レイル)
ひさびさに誰かと食事した気がする。
迅雷
普段は非戦闘用の手足を使っている。
関節が不自然なため、ロンググローブとニーソックスを付けて隠している。
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プロフィール

HN:
Rark
職業:
女子高生
自己紹介:
ここに来るならばもう分かっているのではないか!?

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