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【十四話】いきなりレールガン女子高生ヴァーサス

割れた鏡 
割れ落ちて
もう何も映せない
けれど前に立つと
影が映った

第二章【ブロークン・ミラー】


いきなりレールガン女子高生ヴァーサス
第十四話

「記憶」

「お誘いは嬉しいですけど…。」
「…そうだよね、ごめん」
「いえ」
この世界で――宇宙と言うより世界という認識でいるのが私はしっくりくる――私は迅雷と暫くの間一緒に活動していた。
彼女とは友達と言っていい関係になれた。こうなってから初めてのこと。
「ところで…どんな所に行くんですか?」
「…これから決める所かなあ」
「レイルさんはちょっと行き当たりばったりすぎますよっ」
「そうかなぁ」
「そうです」
自分が別の世界に行き来出来るということを話さないまま、一緒に来ないかと誘った。
ひとりは寂しかった。
「私も使ってみますよ、レールガン。」
「あるの?」
「あるんです、大きいのが」
分かっていたが、彼女とは一緒に行けない。
「…今まで助けてくれてありがとうございました」
「うん…また、会おう?」
「ええ、会いましょう!」
ビルの上。夕暮れ。靡く黒い髪。優しい笑顔。
記憶に焼き付いた。



「ん…。夢…」
目が覚める。
見る夢といえば前はふわふわして良くわからないものが多かったが、こうなってからは過去の出来事や妙にリアルな夢を見るようになった。
「ふあぁ…」
とりあえず個室から出ると。
「あ」「おはよう」
ハヅキと目が合った。
ハヅキは料理を作っている。箱から食材を出して作っているらしい。
「そんなことしなくても直接出来合いのがそれから出るよ」
「うん、でも料理を楽しみたいからね」
なるほど。ハヅキは料理が楽しい。
…それにしても。
「(寂しいあまり勢いで連れ込んじゃったなあ…)」
かなりふわふわした会話で連れ込んだ気がする。
もっと考えたり話したりするべきだっただろうか。
「(まあ、出て行きたくなったらハヅキから出ていくだろうし…)」
…出ていって欲しくは無いけども。

「いただきまーす」
出来上がった料理を口に運ぶ。
「ん、おいしい~」
「そう?」
「そう」
自分の想像力不足だったのだろうか?手作りの料理は生成された物よりずっと美味しかった。
「ん…」
…そういえば、ハヅキを見ていると何か既視感を覚える。
そこに自分が彼女と一緒にいたがる理由がある気がする。
「…セレン?」
「え?」
――そうか。セレンとどことなく似てるんだ。ヘアピンの位置は同じだし。
「いや、ハヅキがちょっと友達と似てるなって。」
「ん、そうなんだ」
「…そういえば大河高の制服着てるけど…ハヅキも何か…ひどい目にでも合ってこんなことになったの?」
そうだ。訊くべきことはいろいろある。ようやく思い出した。
「それが…帰ってる途中にいきなり何か起きて…その時のこと自体はよく覚えてないの…」
「ん…」
「それと私は普通科の一年だよ」
「おんなじかぁ」
うーん。彼女もどうしてこうなったかはよく分からないみたいだ。
「…なんか眠くなってきた…」
なんだか急に眠くなってきた。
「あ…眠い?」
「うん、ちょっと二度寝する…ごちそうさま」
「うん、ありがと」
部屋のベッドに戻る。
あっという間に眠りに落ちた。



二人の高校生が冬の道を歩いていた。一人の名前は初世 蓮。もう一人の名前は、長井 零路。
「でさあ、アタシ言ってやったのよ、アンタの彼女はボクの物よってね…」
「今日の謎導入はなんかヤバいね~」
「そろそろロロもこういう導入考えないの?」
「考えねーよ」
ロロとは零路の愛称だ。零路という名前は見ての通り読みづらく、「ゼロロ」「レイロ」と読まれるのが基本だった。
「ゼロロ」から取って、「ロロ」。
「今日のセレン金曜日であることを除いてもなんか元気いいね。」
「そうだぜ?」
「ん~、今日は…あ、アレか、明日かあ。」
「そう、明日。」
セレンは「ハツセ レン」、「ハツ『セレン』」。
二人は愛称で呼び合う中だった。というか、二人のことをそう呼ぶ人間はこの二人しかいなかった。
グループを作るのが苦手な女子だったから。はぐれもの達だ。

「は~ッ、それにしてもアイツらふざけてるよ」
「ほっとけば良いよ」
「俺様はロロ様みたいにオトナじゃねぇの!」
「セレンはおガキ様だからね」
「そう、まだクソガキだもんわたくし」
「ははは」
「は~、地底人が出てきてアイツらぶっ飛ばしてくれたらな~」
「地底人ねぇ」
「実はいないかなぁ~地底人 プレミアムフライデーにかこつけてさ」
「何をどうかこつけるのさ」
「なんか金曜日っぽくない?地底人」
「金曜日っぽさなら金星人でしょ」
「こりゃ一本取られましたな! ムハハ」
他愛もない話。いつもの帰路。

「そーいやセレン、なんか最近見てるやつとかあるの?」
「よくぞ訊いてくれましたね!あたくし最近ハマッてる作品がありまして」
「やはり」
「いレ生って言うんだけど」
「どんな略称だよ」
「そう、どんな略称だよ!残念ながらこれが正式名称でして、なんの略称か分からない!!」
「なんと」
「一話一話がすごい短いアニメなんだけど、死んで転生した女の子が…転生物だぜ。すごい武器を持っていろんな問題を解決するっていうやつ」
「なんじゃそりゃ」
「これがかなりカオスなんだよ、すごいよ。勢いに殺される」
「殺される。」
「明日見せてあげるぜ」
「殺される。」
「殺す。」

分かれ道。零路はここを曲がって帰る。蓮はそのまま直進。
「ん、明日待っておるぞ…。」
「じゃーセレンまたね~」
「ロロー!明日ちゃんと来なさいよねー!!」
「行けたら行く~!」
「こいつ~~!!」


それから。


それから。


それから…。
「うっ…あっ…!」
気持ちが悪い。寝汗を大量にかいたのが分かる。
「う…?」
何か見える。近い。
「あ…。」
「…ハヅキ?」
どうしてか、四つん這いで私の上を陣取っている。
「あ…これは…その…っ。」
ハヅキが慌てて離れる。
…よ、夜這いか?
「えっと…。」
「ご、ごめん…。」
心底申し訳無さそうな顔。そんなに。
「ハヅキって割りと…そっち系?」
いや待て。彼女も随分孤独だったかもしれないからそんな風になるのも当然かもしれない。言った後に気がつく。
「そ、そうかも…。」
恥ずかしそうな顔。
「えっと、いや、ハヅキも今まで寂しかったんだよね?」
「…。」
「だからそういうことも…あるよね」
「う、うん…。」
―――何だこの空気。
「わ、私お昼作るね!」
「う、うん。」
しかし気のせいだっただろうか。
起きた時。目の前のハヅキの顔が
「………。」
―――悲しそうな顔に見えたのは。




レイル
ご飯のレパートリーが増えてよかったなあと思っている
ハヅキ
お風呂が長い。
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